この記事はCoderDojo Advent Calendar 2016の2日目の記事です。
1日目はhosoyaさんが書きました。
CoderDojo(コーダードージョー)って?
ご存じない方も多いと思うので紹介します。CoderDojoとは
CoderDojo は7〜17歳の子どもを対象にしたプログラミング道場です。2011年にアイルランドで始まり、世界では66カ国・1,150の道場、日本では全国に64以上の道場があります (2016年11月現在)。
小学生から高校生までの子どもたちに、完全ボランティアでプログラミングを教えています。道場に通っている子どもたちを「ニンジャ」、教えている大人たちを「メンター」といいます。私はCoderDojo西宮/梅田でメンターをしています。
CoderDojoではプログラミング入門として、コードを書くこと無くゲームを作るビジュアルプログラミング言語Scratch(スクラッチ)を教えています。私もScratchを使っていろんなゲームを作りました。
メンターって何するの?
子供にプログラミングを教えるなら、メンターって先生なんでしょ?と思われるかもしれませんがちょっと違います。
先生とは学習要項、あるいは塾のカリキュラムに沿って、唯一の正解の答え方を教える仕事だと僕は思っています。(違ったらすみません)
一方、CoderDojoには決まったカリキュラムがありません。ニンジャたちのやりたい事を実現する方法を教えるのがメンターの役割です。したがって、メンターによって教え方が異なりますし、同じことをやりたいと言っているニンジャがいても完成するものが異なったりします。
メンターをするときに気をつけていること
ここからは個人的に意識してやっていることで、別のDojoやメンターとは意見が異なるかもしれません。しかし、とても大切なことだと思って取り組んでいます。
ニンジャに答えを教えない
「これってどうやったら良いの?」と聞かれると、プログラミングに詳しい人はついつい教えたくなってしまいますが、私はなるべく答えを教えないようにしています。
「どうやったら出来ると思う?」「じゃあちょっとやってみようか」「うまくいかないねぇ」まずはニンジャにトライして失敗してもらうようにしています。
失敗したあとで「これをこうしたらどうなる?」とアドバイスをします。すると、完璧ではないけどちょっと前進します。センスの良いニンジャだと、そのあと一人で勝手にやりたかったことを実現してしまいます。あまりプログラミングが得意じゃないニンジャは、「じゃあ次はこれをこうしたらどうなる?」というのを繰り返します。
最終的に出来たプログラムを見るとお世辞にもキレイとは言えないけど、ニンジャが自分の力でやりたい事を実現できたことが大切なのです。
ニンジャにドヤ顔をする
相手が小学生なら、高校の数学知識を活かしたゲームを作って見せてあげます。例えば三角関数を使ってキャラクターを円運動させたり、再帰関数やフィボナッチ数列を使ってアート作品を作ってみたり。
ニンジャにプログラムを見せても理解してもらえませんが、独特の動きをするゲームを見ると興味を持つみたいです。彼らが高校生になった時に数学の勉強に意味が持てると思ってくれることでしょう。
そのときには忘れてる可能性もありますが、実際に活用している大人を見たことがあるので、勉強にも身が入るかもしれませんね。
ニンジャと一緒に悩む
本当にどうやって作ったら良いのかわからないような難しいお題を上げてくれるニンジャがいます。そういうときは、わからないことを正直に白状してしまいます。しかし、分からないからと諦めずにニンジャと一緒に実現方法を考えます。
大人も完璧じゃない、でも問題解決のために考えて実際にやっている。
そういうプロセスを知ってほしいと思っています。まぁ、解決できないこともありますが、それはそれでいい経験でしょう。世の中、思い通りにならないこともあると知れば良いのだ。
メンターは人生の先輩
メンターはニンジャよりもちょっとだけ長く生きているだけあって、様々な問題を解決してきた人生経験があります。人生初経験の問題をどうやって解決してきたか、そのアプローチをニンジャたちに追体験をさせてあげるのが良いメンターだと私は考えています。
CoderDojoはプログラミング道場ですが、プログラミングを通して、未体験の問題を解決する能力を身につけるのがCoderDojoの価値だと思って、ボランティアに参加しています。
彼ら彼女らの将来が楽しみでしょうがないです。という言葉で締めくくります。
おまけ
一緒にCoderDojoでメンターをやっている角田一平さんが、Scratchの本を出版しました。自分の子供にプログラミンを覚えてほしいと思っている親御さんは一度自分で買って試してみてください。
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